▸ この記事のポイント
- 緊急避妊薬は性交後72時間以内(遅くとも120時間以内)に服用するほど効果が高い。「まだ余裕がある」ではなく、できるだけ早く受診を
- 正しく服用した場合の妊娠防止率は約80〜95%。100%ではないため、3週間後に妊娠検査薬での確認が必要
- 緊急避妊薬は定期的な避妊法として使うものではない。低用量ピルやコンドームのほうが効果が高く副作用も少ない
- 2023年から一部の薬局でも試験的に購入できるようになったが、基本は産婦人科受診が推奨
緊急避妊薬の種類と効果
日本で使用できる緊急避妊薬には主に2種類ある。
| 薬剤 | 有効時間 | 妊娠防止率 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| レボノルゲストレル (ノルレボなど) |
性交後72時間以内 (120時間でも一部有効) |
72時間以内で約85% | 最も広く使われる。単回服用 |
| ウリプリスタール酢酸塩 (エラワン) |
性交後120時間以内 | 約85〜98% | 72時間後でも効果が維持される。肥満女性に特に有効 |
「早ければ早いほど効果が高い」が最重要ポイント。レボノルゲストレルは24時間以内なら妊娠防止率が約95%、72時間後は約58%まで下がる。「まだ余裕がある」と後回しにせず、できるだけ早く受診してほしい。
作用のしくみ——中絶薬ではない
緊急避妊薬の主な作用は排卵の抑制・遅延だ。すでに排卵が起きている場合は受精を防ぐ(頸管粘液の変化)。
重要な点として、緊急避妊薬は受精卵が着床した後(妊娠成立後)には効果がない。中絶薬(RU-486など)とは全く異なる薬だ。
副作用と注意点
- 吐き気・嘔吐:服用後2時間以内に嘔吐した場合は再服用が必要
- 不規則な出血:月経の時期がずれることがある。次の月経が遅れることも
- 頭痛・めまい・乳房張り:一時的な副作用
服用後の確認と次の避妊
- 服用後の月経が予定より1週間以上遅れたら妊娠検査薬を使用する
- 緊急避妊薬はその後の性交には効果がない。次の避妊方法を必ず使用する
- 定期的な避妊を考えるなら低用量ピル・IUDなどを婦人科で相談する
- 性的暴力・強要による場合は、婦人科受診と並行して警察・支援機関への相談も検討する
緊急避妊薬の入手方法(2025年現在)
基本的には産婦人科・婦人科での処方が必要(自費処方、7000〜15000円程度)。一部の医療機関ではオンライン診療でも処方可能。2023年から試験的に一部薬局での販売が開始されているが、全国普及はまだ進行中だ。夜間・休日は救急外来・総合病院でも対応している場合がある。
まとめ
緊急避妊薬は「避妊に失敗した後の最後の手段」だ。効果的に機能させるには早期服用が鍵になる。「恥ずかしい」という気持ちを持つ必要はない。産婦人科では日常的に対応しており、あなたのことを批判することはない。困った状況では迷わず受診してほしい。
参考文献
- WHO. “Emergency contraception.” Fact sheet. 2021.
- Gemzell-Danielsson K, et al. “Emergency contraception — mechanisms of action.” Contraception. 2010.
- 日本産科婦人科学会. 緊急避妊法の適正使用に関する指針. 2016.