▸ この記事のポイント
- 子宮頸がん検診は20歳から受けられる。自治体の検診を利用すれば無料または低コストで受けられる
- 2年に1回の細胞診がガイドラインで推奨されている。HIVなどハイリスクの場合は毎年
- 検診結果が「要精密検査」でも「がん確定」ではない。コルポスコピー・組織診でほとんどが経過観察になる
- 子宮頸がんは早期発見でほぼ100%治癒できる。「怖いから行かない」が最大のリスクだ
子宮頸がん検診の概要
子宮頸がん検診は、子宮の出口(頸部)の細胞を採取して顕微鏡で異常細胞の有無を調べる検査だ(細胞診)。子宮頸がんの前段階(前がん病変)を発見し、がんになる前に治療することを目的としている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象年齢 | 20歳以上(自治体検診)。性交経験がない場合は検診の効果が低い |
| 推奨頻度 | 2年に1回(日本の自治体検診) |
| 検査方法 | 細胞診(頸部をブラシで擦って細胞採取) |
| 費用 | 自治体検診:無料〜1000円程度 / 自費検診:3000〜5000円 |
| 所要時間 | 5〜10分(内診台での短時間処置) |
検診の流れ
- 問診:最終月経・性交歴・症状・既往歴を確認
- 内診:膣鏡を挿入し子宮頸部を露出
- 細胞採取:ブラシで頸部を擦り細胞を採取(数秒間)
- 検査結果:2週間〜1か月後に郵送または来院で通知
検診前の注意
月経中は避ける(血液で細胞が判定しにくくなる)。検診2日前から膣洗浄・性交・タンポン使用は避ける。
検診結果の見方
| 判定 | 意味 | 次のステップ |
|---|---|---|
| 陰性(正常) | 異常細胞なし | 2年後の定期検診 |
| ASCUS | 軽度の細胞異常。多くはHPV感染の一過性変化 | HPV検査または6か月後再検 |
| LSIL | 軽度異形成(CIN1)。多くは自然消退 | コルポスコピー・組織診で確認 |
| HSIL | 中等度〜高度異形成(CIN2〜3)。治療を要する前がん病変 | コルポスコピー・組織診→LEEP手術など |
| SCC・腺癌疑い | がんの疑い | 緊急精密検査・専門病院受診 |
「要精密検査」はがんではない。細胞診で「異常あり」と判定されても、コルポスコピー(拡大鏡検査)・組織診(組織採取)で精密評価すると、約70〜80%はCIN1以下(経過観察のみ)となる。必要以上に怖がらず、指示された精密検査を受けてほしい。
HPV検査との組み合わせ
HPV検査は細胞診と組み合わせることで検診の精度を上げられる(コ・テスト)。30歳以上で細胞診陰性+HPV陰性の場合は5年間検診不要とする指針もある(海外)。日本でも精度の高い検診方法の整備が進んでいる。
まとめ
子宮頸がんは定期検診で確実に予防・早期発見できるがんだ。2年に1回、5〜10分の検診を続けることが自分の命を守る最善策だ。「痛そう」「恥ずかしい」という心理的障壁を乗り越えて、まず一度受けてみてほしい。
参考文献
- 日本婦人科腫瘍学会. 子宮頸がん治療ガイドライン2022.
- 国立がん研究センター. 子宮頸がんスクリーニングガイドライン.
- WHO. “Comprehensive cervical cancer control.” 2014.